丁寧に煮出した熱々のチャイ。お気に入りのマグカップに注いでほっと一息つくのも最高ですが、実は「口にあたる部分の素材」によって、チャイの印象は驚くほど変わることをご存知でしょうか。
本場インドやネパールの街角でも、地域やお店によって使われているうつわは様々です。
今回は、いつものチャイをもっと美味しく、楽しくしてくれる「4種のカップ」をご紹介します。その日の気分に合わせて、ぜひおうちで試してみてください。
1. 素焼きカップ:土に還る、究極のエコうつわ

インドで「プルワ」や「クリ」と呼ばれる、素焼きの使い捨てカップ。チャイというとこの素焼きのカップを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実はこれ、飲み終わったら「地面に叩きつけて粉々にして捨てる」という文化があります。
これには「他人が使った食器で穢れ(けがれ)が移るのを避ける」というヒンドゥー教の考え方が背景にあります。
土から作られたカップを使い、土に還す。それがまたカップ職人の仕事を生むという、見事な循環システムになっています。
素焼きならではの微かな「土の匂い」がチャイに移り、他では味わえない独特の野性味と風味が楽しめます。
大阪・関西万博でも、素焼きのカップに入ったチャイ(カップは持ち帰り可)が売られていて話題になっていました。(参考記事)
2. チャイグラス:本場の街角スタイル

インドやネパールのレストランやチャイスタンドでも主流で使われている、ガラス製の「チャイグラス」。
大体100mlほどの小ぶりなサイズ感が特徴。現地の人々は、仕事の合間やちょっとしたおしゃべりの時間に、1日に何杯もこの小さなグラスでチャイを飲みます。
耐熱ガラスの素朴な口当たりと、チャイの色を外から眺められるのが魅力。これに注ぐだけで、一気に現地の屋台にいるような気分を味わえます。
3. タンブラー&ダバラ:南インドの泡立てスタイル

南インドで主にフィルターコーヒーを飲む時に使われる、ステンレス製の「ダバラセット(タンブラーと深めのソーサー)」。こちらはチャイを飲む時にもよく登場します。
最大の特徴は、「熱々のチャイを、ダバラとタンブラーの間で高い位置から交互に注ぎ合って冷ます」こと。
これを2〜3回繰り返すことで、チャイが程よい温度になると同時に、表面にふんわりとした泡が立ち、口当たりが驚くほどマイルドになります。ステンレスのひんやりとした感触もクセになりますよ。
4. ぽってり厚めの「カップ&ソーサー」

紅茶(ストレートティー)を飲む時は、香りを繊細に感じるために口の広い薄手のティーカップが推奨されますが、チャイの場合は逆。
ミルクのコクとスパイスの強さを受け止める「ぽってりとした厚みのあるカップ」が相性抜群です。
丈夫で冷めにくく、どっしりとした安心感があるので、休日の朝に、少しリッチな気分でチャイを飲みたい時にぴったりです。
カップを変えて、新しいお茶の時間を
土、ガラス、ステンレス、そして厚手の陶器。
中身のチャイは同じでも、カップを変えるだけで「今日のチャイは少しシャープだな」「今日はなんだかマイルドで落ち着く」と、新鮮な発見があるはずです。
「今日はどのカップで飲もうかな」と食器棚を眺める時間もまた、チャイの楽しみのひとつですね。

